「ブルウタス、汝(なんじ)もまた。」人間、この苦汁を嘗(なめ)ぬものが、かつて、ひとりでも、あったろうか。おのれの最も信頼して居るものこそ、おのれの、生涯の重大の刹那(せつな)に、必ず、おのれの面上に汚き石を投ずる。はっしと投ずる。