(私にとって)大したことは、一身の晩年をいかに立体的に充実して生きつらぬくかということだけである。一切のムダを排除し、秀(すぐ)れた人物に接し、秀れた書をよみ、秀れた芸術を教えられ、かつ発見してゆく以外、充実の道はない。