人、死を憎まば、生を愛すべし。存命の喜び、日々に楽しまざらんや。愚かなる人、この楽しびを忘れて、いたづがはしく他の楽しびを求め、この財を忘れて、危く他の財(たから)を貪るには、志満つ事なし。生ける間、生を楽しまずして、死に臨みて死を恐れば、この理あるべからず。