ボードレールが、彼らこそ唯ひとり真の旅人と主張する、出かけるために出かける人たち、また、そんな様子を見せる人たちは、たとえそれ以外の動機を持たないにしても、彼らは自分自身に耐えかねているという、もう一つの動機からは、常に逃れることができない。彼らは自分自身の心から逃避しようとする狩人であると同時に獲物であり、追うと同時に追われる人たちなのである。