人間には、いったんある状況に置かれると、比較する対象が同じ状況の中の人──それも自分より幸福そうな人──だけに限られ、自分が前にいた状況、ほかの状況の人たちのことはきれいさっぱり忘れてしまう、という不思議な性質があるようだ。