「私にとって仕事とは?」「私にとって結婚とは?」と、本来、非常に具体的、現実的であるはずのテーマを観念的に考え始めると、人の思考はかぎりなく自分の内面に向かってしまい、結局は仕事や結婚についてではなくて、自分自身について悩むことになってしまう。そしてその結果、「とりあえず働こう」「とりあえず結婚しよう」ではなくて、「わからないならやめておこう」と現実に足を踏み出すのを断念してしまうのも、現在の就職と結婚の問題に共通した傾向である。