母親はわが子を、それが利口だとか、美しいとか、活溌(かっぱつ)だとか、なんらかのそういう人にすぐれた美点のゆえに愛するのではない。母はわが子を選んだりはしない。ただそれが自分の子であるという、それだけの理由で、絶対的に、無条件に愛するのだ。ここにあらゆる愛のモデルがある。