閑暇は定年退職者に新しい可能性を開いてはくれない。彼がようやく強制から解放されたとき、人々は彼がその自由を活用する手段を取りあげるのである。彼は孤独と倦怠(けんたい)の中で無為に生きるべく運命づけられる。単なる屑(くず)として。