朝の「さよなら」は舌に残った煙草(たばこ)の味だ。シーツの皺(しわ)。モーニング・コーヒーのカップに沈んだ砂糖。そしてなんとなく名残(なご)り惜しく、そのくせすこしばかりの自己嫌悪がともなう。