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アナトール・フランス

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はたして人は、不徳なくして徳を、憎しみなくして愛を、醜なくして美を、考えることができるだろうか。実に悪と悩みのおかげで、地球は住むに耐え、人生は生きるに値するのである。
想像力は、感じやすい人間を芸術家にし、勇気のある人間を英雄にする。
もし私が神だったら、青春を人生の終わりにおいただろう。
女性の服装に興味を持つのは、中身の女性に興味のない男性だけだ。
偉大なことを成し遂げるには、行動するだけでなく、夢を持たなければならない。また、計画するだけでなく、信念を持たなければならない。
悪は必要である。もし悪が存在しなければ、善もまた存在しないことになる。悪こそは善の唯一の存在理由なのだ。
人は動物を愛するようになるまで、心の一部は目覚めぬままである。
機会はおそらく、サインすることを欲しなかった時の神の匿名であろう。
新しい世界に生きようと思ったら、前の世界のことを死滅させなければならない。
誰しも老いるのは嫌だが、それは長生きをするための唯一の道なのだ。
理解しないことが多いよりも、わずかでも理解する方がいい。
人生を持て余しているような箸にも棒にもかからぬ人間に限って、永遠に続く命を欲しがるものだ。
この世で最高の言葉でも、理解できなければただむなしく響くだけ。
嫉妬は男においては弱さであるが、女にあっては一つの強さである。
正義とは、社会によって認められた不正の是認にほかならない。
彼ら(=大臣)は非常に低いところから落ちるので、落ちたところでいっこうに傷つかない。
男にとって嘘がどれほど必要なもので、しかも手助けとなるものか、女と医者だけが知っている。
ものを集めることもいいが、歩くことはもっといい。
本は人に貸してはならない。貸せば戻ってこないからだ。私の書斎に残っている本といったら、そうやって人から借りたものばかりだ。
男にあっては一つの弱さである嫉妬も、女にあっては一つの力であり、女を駆って数々の企みへと走らせるものだ。
神も天も、そんなものはなんでもない。地上の生命、生物の愛のみが真実のものなのだ。
「皮肉」と「憐れみ」とはふたりのよき助言者である。前者は、ほほえみながら、人生を愛すべきものにしてくれ、後者は、泣いて、人生を聖なるものにしてくれる。
キリスト教は、恋愛を罪悪視することで、恋愛のために大きく貢献した。
我々は女性にしゃべらす薬を持っているが、女性を沈黙させる薬は誰も持ってない。
私は生きていけば生きるほどさとります。罪人などはいない、不幸な人がいるだけだと
偉大なことをなすには、実行力だけでなく、夢想力がなければならない。
人生の真実は、美味で、恐ろしく、魅力的で、奇怪、甘くて、苦い。そしてそれがすべてである。
嫉妬は、女とっては単に自尊心をくすぐるばかりであるが、男にとってはそれは道徳上の苦痛のごとく深き、肉体の苦痛のごとく間断無き苦痛である。
正直とか親切とか友情とか、そんな普通の道徳を堅固(けんご)に守る人こそ、真の偉大な人間というべきである。
この世にあっては、全てのものが報いを受ける。特に肉体的快楽は。
嘘を少しも含まない歴史書は、すこぶる退屈である。
私が人生を知ったのは、人と接したからではなく、本と接したからである。
恋は単純で原始的な行為である。それは闘争である。それは憎しみである。恋には暴力が必要である。相互の同意による恋愛は退屈な労役にすぎない。
例え五千万の人が馬鹿なことを言おうと、それはやはり馬鹿なことだ。
知的な女というものは、しばしば愚かな男と結婚する。
私は賢さからくる無関心よりは、熱中した馬鹿さかげんのほうが好きだ。
あらゆる性的異常のうちで、純潔こそいちばん奇異である。
教育とは、どれだけ多く記憶するかということでも、どれだけ多く知るかということでもない。それは自分の知っていることと知らないこととを、見分けられるようになることである。
すべての真の偉人の第一の美徳は、誠実であることだ。
苦悩の美徳を教える僧侶に耳を傾けるのをやめようではないか。なぜなら快楽こそ善だからである。
仕事は我々の無力をだまし、幸運への希望を与えてくれる。