カール・ヤスパース
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カール・ヤスパースは1883年2月23日にドイツのハイデルベルクに生まれドイツで医師として働きながら、精神病理学を研究した精神病理学者、哲学者、神学者である。1913年に『精神病理学総論』を出したことで知られ、実存主義哲学の代表的論者として現代思想(特に大陸哲学)、現代神学、精神医学の分野に多大な影響を与えた。また、1932年に『哲学』を出版したことでも知られています。
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生命を賭(と)すること、生命を犠牲にすることは、それなしでは人間にふさわしい生を得ることもできず、救いの道を見出すこともできないであろうような、人間にとって必須の条件であるが、それも生命を賭すること、生命を犠牲にすることそのものにではなく、それが理性と愛から出た、人間として生きる上での契機となっている点に、意味があるのである。
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次の戦争を確信する者は、他ならぬその確信によって戦争の発生を促すことに協力しているのだ。平和を確信する者は、のんびりしているうちに知らず知らず戦争に巻き込まれてしまう。ただ危険を見、一瞬もそれを忘れない者のみが、理性的に振る舞い、その危険を追い払うために可能なことを果たすことができるのである。
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生命の神聖視は、生命そのものを絶対唯一の意味あるものと見なすようになるのでは、真実なものではなく、偽りもので、生命のあり方の全体にとって有害である。そうなると人間が超越者の位置を占めるようになり、これは事実上信仰喪失の現れである。