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サキャ・パンディタ

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賢者はいかに窮しても、愚者の道は歩まない。ツバメはいかに喉が渇こうとも、地面に落ちた水は飲まない。
自分でよく分かっていても、事はすべて相談してする。相談を好まないのは、後悔を高く買うことになる。
ずるい人は言葉で騙(だま)すので、正直者は(相手の言葉を)よく吟味する必要がある。騙された後で、私は正直者だと自讃してなにになろうか。
愚者は口数が少なければよく、王は隠れていたらよく、手品はたまに見るのがよい。宝石は稀だから高価である。
努力をやめてしまった者は、この世でもあの世でも何もできない。
知恵のない者は少しの勝利で満足し、負けたとなると味方を恨む。話し合いに集まれば喧嘩をし、密談は漏らしてしまう。
ためになることを言う人は稀で、それを聞く人はさらに稀である。名医を見つけるのは難しく、その言葉に従う人はさらに少ない。
賢者でも自分の欠点を欠点と理解するのは難しい。多くの人にそう指摘されて、欠点だと認識する。
自分が好まないことを他人に絶対してはならない。他人に少しでもそうされたら、自分がどう思うか考えろ。
完成できないことは、いい行いでも始めるべきではない。腹の中で消化できない食べ物は、美味しくても誰が食べるか。
知恵のある者は小さなことでも、常に相談して行う。
ある人のためになることでも、他の人には害になる。月が出れば睡蓮(すいれん)は、開くけれども蓮(はす)は閉じる。
大事業をするのには、努めていい友達を頼りにする。大きな森を焼くのには、風の力が必要だ。
害することができる者は、益することもできる。処刑できる王は、善政もできる。
慈しみが過ぎると、憎しみのもとになる。世間の争い事の多くは、親密さから生じる。
ずっと先を見つめ、規律正しく辛抱強く、努力家にして意思堅固な者。彼は召し使いであっても指導者になる。
良馬は走れば分かる。金銀は溶かせば分かる。象は戦場に出れば分かる。賢者は格言を書けば分かる。
絶えず人のことを思わない者は、畜生と同じである。飲み食いだけなら畜生でもできる。
恩知らずとは誰が友達になるだろうか。努力しても実が熟さない畑では、誰も仕事をしはしない。
貴人はたとえ不幸に見舞われようとも、行いはことのほか高潔である。火はいくら下に向けても、炎は上に燃え上がる。
劣った者は立派な人を馬鹿にするけれど、立派な人はそうはしない(=劣った人を馬鹿にしない)。ライオンはキツネの群れを守るけれど、キツネは互いにいがみ合う。
敵をだますことなく、絶えず援助すれば、敵もだますことなく折れてくる。本当の偉大さである。
誰々は私の敵だとか、誰々は私に不親切だと、不親切でもそうは言うな。言えばそれが仲違(たが)いとなる。
賢者は学ぶ時に苦労する。安逸(あんいつ)にいてどうして賢者になれようか。小さな安楽に執着するものは、大きな安楽が得られない。
優れた人は自分の欠点を見、劣った人は他人の欠点を探す。
知識があっても、性格の悪い者は捨てる。毒蛇の頭に宝石があっても、賢者は蛇を懐に抱くだろうか。
(君主に)知恵があり過ぎ、仕事が多過ぎると(国は)だめになる。考え過ぎる国王が国を滅ぼしたためしは多い。
功徳ある人のところには、集めなくても人は集まってくる。香しい花は遠くにあっても、蜂が雲のように集まってくる。
ほとんどの悪人は自分の過失を他人になすりつける。カラスは汚いものを食べた嘴(くちばし)を、きれいな地面でせっせと拭く。
人に功徳があるのかないのかを、見極める知恵を持った者が賢者である。埃(ほこり)と混じった砂鉄を、磁石は吸い付けることができる。
卑怯者は敵を退治することを口にし、遠くに目にすれば叫ぶ。しかし対面すると手を合わせて命乞いし、家に帰ると自慢する。
賢者は自分で観察するが、愚者は名声に従う。老犬が吠えると、他の犬は理由もなく動く。
忠告は敵を作る。
怠慢で努力をしない人は、力があってもだめになる。象は力があるけれど、小さな象使いの奴隷である。
立派な人は穏やかさで自他を守るが、劣った人はかたくなさで自他を苦しめる。果実をつけた木は自他を守り、乾いた木は自他を焼く。
努力なしには、いい畑にも作物は実らない。
法と不法を説く賢者は非常に多いけれど、知って実践する人は、世の中にはきわめて少ない。
自分に害意がないからといって、誰でも彼でも信用してはいけない。鹿はいつも心やさしいが、牙を持つ野獣は餌と見る。
知恵がないという理由で、愚者は学問をしない。考えてみれば知恵がないからこそ、愚者は一層努力すべきである。
善と悪とは誰にでも分かる。混ざった時に区別できるのが賢者である。
偉大な人は、敵よりも身内に害されることが多い。体内の虫の他に、ライオンをどんな生き物が食べようか。
心にねたみを持つ愚者は、害を及ぼす前に態度に表す。愚かな犬は敵を見て、噛み付く前に吠える。
人を観察せずに信用したり任せてはならない。不用心から問題が生じる。
敵に害を与えたいなら、自分が功徳を積むことだ。敵は嫉妬で心を焦がし、自分は福徳が増える。
一つのことをする時には、不都合と利点の両者を考える。両者対等ならやめるべきで、不都合が多ければ言うまでもない。
功徳は驕りによりだめになり、慎みは欲によってだめになる。
慈しみ過ぎるのは味方に対してもいけない。あまりにも害することは敵に対してもいけない。味方に対する期待は争いのもとで、報復は誰でも容易にする。
功徳の少ない者は自慢するが、賢者は温和である。渓流はたえず音をたてるが、大海は騒がしくはない。
一般に人は自分と同じものに邪魔される。太陽の光が現れると、他の光は消え失せる。
努力して自分の利益を達成したかったら、まず他人のためにすべきだ。自分の利益だけを心掛けると、自分の利益は達成されないものだ。
自分の行いは努めて隠すべきであり、ほとんどは見せることでだめになる。
自分が好きなことを人にもしてあげるなら、人も自分に好きなことを同じように返してくれる。
時期に適わない話は、何を言っても馬鹿にされ、語れば語るほど、気が狂ったと見なされはしないだろうか。
お前の仕事は終わったか、と閻魔は待っていてはくれないから、すべきことがあったら、今日こそ励むべきだ。
立派な人は喧嘩になっても(相手の)ためになり、劣った人は(他人に)親切にしても害がある。神々は怒っても衆生を守り、閻魔は笑っても人を殺す。
少しで足ることを知る者、その人の財産はなくならない。足ることを知らずに求める者には、苦しみの雨がいつも降る。
知識を持った人を馬鹿にすると、馬鹿にした人自身に罰が当たる。火を下に向けて持とうものなら 下に向けた人の手を焼くように。
あらゆる状況を考慮せず敵に襲いかかるのは、愚者のしるしである。灯火の炎に立ち向かう蛾は、はたして英雄だろうか。
分相応に大人しすぎると、誰からもこき使われる。木綿は敷物にするけれど、誰が枝を敷物にしようか。
自分の力が整わないその間は敵を敬い、力が具(そな)わったら好きにせよ。
いつも家来をののしれば、主人は必ずだめになる。
与えたものは取り戻さず、劣った者の悪口を受け止め、小さな恩も忘れない。それが偉大な人のしるしである。
絶えず人に頼る者は、いつか必ず駄目になる。カラスに運んでもらった亀は地に落ちた、というのはよく知られた話だ。