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植村直己

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植村 直己は、日本の登山家、冒険家であり、1970年に世界最高峰エベレストに登頂し、1978年に犬ぞり単独行としては世界で初めて北極点に到達した。1984年にも冬期のマッキンリーに世界で初めて単独登頂したが下山中に消息不明となった。

気が狂いそうな単調さに耐えぬき、弱音を吐きたがる自分に打ち克つ以外にない。進むこと、ひたすら前へ進むこと。
何度私はこの旅を中断しようと思ったことだろう。そのたびに、もう一日だけ、もう一日だけ前進してみようと自分にいいきかせた。
厳しく自分を鞭打ってやってきた時は、振り返った時、実に爽やかです。
僕らが子供の頃、目に映る世界は新鮮ですべてが新しかった。やりたい事は何でもできた。ところが年をとってくると疲れてくる。人々は諦め、みんな落ち着いてしまう。世界の美しさを見ようとしなくなってしまう。
私にとっては、ひとりが一番よい。
山は他人のために登るものではないと思う。誰からも左右されない、自分の意志ひとつで行動できる単独行であれば、それが人のためでなく自分のためであればあるだけ、すべてが自分にかえってくる。喜びも、危険も。
私は意志が弱い。その弱さを克服するには、自分を引き下がれない状況に追い込むことだ。
物資に恵まれている中では、人間本来のものは失われている。
人に言われてやめるのではなく、自分で実際に直面して肌で感じとり、それでできないと思ったらやめ、できると思ったらやるべきではないか。
人の意見も、当然重視しなければならないが、その意見にしたがってばかりいては何もできない。
過去ばかりあれこれ思い出して、センチになっているわけにはいかない。自分は現在に、未来に生きなければならないのだ。
英語ができないフランス語が出来ないなどと言っていたら、一生外国など行けないのだ。男は、一度は体を張って冒険をやるべきだ。
経験の一つ一つが、随分時間の経った今頃になってひょいと帰ってきて、私を勇気づけてくれる。
冒険とは、死を覚悟して、そして生きて帰ることである。
あきらめないこと。どんな事態に直面してもあきらめないこと。結局、私のしたことは、それだけのことだったのかもしれない。