心は妄心なれば、虚妄なり。たのむべからず。
心こそ心迷わす心なれ心に心 心許すな
ふればぬれ ぬるればかわく 袖(そで)のうえを あめとていとう 人ぞはかなき
本来、無一物(むいちもつ)なれば、諸事において実有(じつう)、我物(がもつ)のおもいをなすべからず。一切を捨離(しゃり)すべし。
専ら自身の過ちを制して他人の非をそしることなかれ。
独り生まれて独り死す。生死(しょうじ)の道こそ悲しけれ。
生死(しょうじ)、本(もと)無(む)なれば、学(がく)すともかなうべからず。
よろづ生(いき)としいけるもの、山河草木、ふく風たつ浪の音までも、念仏ならずということなし
万法(まんぼう)は無より生じ、煩悩は我より生ず。
専(もっぱ)ら平等心をおこして、差別の思いをなすことなかれ。
生ぜしもひとりなり、死するも独(ひとり)なり。されば人と共に住(じゅう)するも独なり、そひはつべき人なき故(ゆえ)なり。