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永井荷風

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永井荷風は、日本の小説家であり、1879年12月3日に東京小石川に生まれた。父親は大実業家であり、彼は落語や歌舞伎の世界を経験した。フランス文学を学んだ後で、慶応大学の教授になり、江戸文化を捨てた明治の東京の現状を嘆き悲しんだ。

早く結婚しては不可(いけな)い。男の側から世に此上(このうえ)の美人は無いと云う位な人の妻と、其(そ)れ程ではない処女(むすめ)とを比較(くら)べて見て、何(いず)れがより強い空想を起こさせるか。男の魔力も其れと同じ事だ。
自覚さえすればどんな生活にだって深い意味が出来る。
詭弁はよしたまえ。つまらんパラドックスは自分で自分を不幸にするようなものだ。
どんな女でもいいのです。心底から私を有頂天にさせてくれる、身も世も忘れさせてくれるような女なら、どんな女でもいいのです。
月の光も雨の音も、恋してこそ初めて新しい色と響(ひびき)を生ずる。
日本人は三十の声を聞くと青春の時期が過ぎてしまったように云うけれど、熱情さえあれば人間は一生涯青春で居られる。
ねぇ、あなた。話をしながらご飯を食べるのは楽しみなものね。
女人は、生活をともにして自分の内側に入らせないかぎり、愛好すべきものなり。
その女に捨てられたという時には、多少なりと精神上に傷害を残す位な濃艶に狂激な女が欲しいのです。
人間の最大不幸は、其(そ)の成功を意識した瞬間から始まる。
悲哀や苦痛はつまり、楽しい青春の夢を猶(なお)楽しく強く味わわせる酒のようなものだ。
花が咲いたら其(そ)れをば二人同じような心持で眺めたい。蝶が飛んだら二人して其れを追いたい。然らずば花が咲いても蝶が飛んでも、世は枯葉の翻(ひるがえ)る秋の夕暮に均しいではないか。
子供の楽しみに対する敵はいつでも父か教師である。
世間のつまらぬ不平や不愉快を忘れるには学問に遊ぶのが第一の方法である。
愛することは、憎むことを知る始めである。