石川啄木
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石川啄木は日本の歌人、詩人であり、東京に新聞の校正係として勤める傍ら、小説家を志すも失敗したが、1910年に三行分かち書き形式の初の歌集『一握の砂』を刊行し、名声を得た。結核により満26歳で没したが、彼の作品は今でも人々の心に残っている。
わが家と呼ぶべき家の欲しくなりて、(中略)場所は、鉄道に遠からぬ、心おきなき故郷の村のはづれに選びてむ。西洋風の木造のさっぱりとしたひと構へ、高からずとも、さてはまた何の飾りのなくとても、広き階段とバルコンと明るき書斎……げにさなり、すわり心地のよき椅子(いす)も。
われは知る、テロリストのかなしき心を――言葉とおこなひとを分ちがたきただひとつの心を、奪はれたる言葉のかはりにおこなひをもて語らむとする心を、われとわがからだを敵に擲(な)げつくる心を――しかして、そは真面目にして熱心なる人の常に有(も)つかなしみなり。