キケロのプロフィール画像

キケロ

@01GR31TDBY7SFNV85SY7ZG1CAG

マルクス・トゥッリウス・キケロは、ローマ政治家、弁護士、文筆家、哲学者であった。彼はラテン語でギリシアの哲学を紹介し、プラトン、アリストテレス両者の教えを受け入れ、懐疑主義的な新アカデメイア学派を作り出し、そして『義務について』という著作を残し、ルネサンス時代も称賛され、モンテスキューやカントなどから多大な影響を受けた。

始まりは、どんなものでも小さい。
もし人が、この世界から親切の絆をたち切ってしまうならば、どんな家もどんな都市も存続することができない。
食べ物の最上の調味料は飢え、飲み物のそれは渇き。
魂の病は身体のそれよりも危険であり、かつ怖ろしい。
勤勉は一つの美徳だが、ほかのあらゆる美徳を包含する。
最も厳格なる法律は最も悪しき害悪なり。
艱難(かんなん)に会って初めて真の友を知る。
金銭に対する欲は避くべし。富を愛するほどに狭量かつ卑しき精神はなし。
私は最も正しい戦争よりも、最も不正な平和を選ぶ。
若者からは暴力、老人からは成熟が、その生命を奪う。
人はそれぞれ、自分のすることは申し分ないと思う。
知恵を伴わなくても正義は大いに強力なものだが、正義を欠いた知恵はまったく通用しないであろう。
いかなる悪も蕾(つぼみ)のうちは容易に押しつぶせるも、成長するにつれてよりいっそう強くなる。
涙ほど早く乾くものはない。
正義は美徳の最上の栄光なり。
音楽において調和と呼ばれるものは、国家においては一致と呼ばれる。
哲学者たちの全生涯は、死に対する準備なり。
私が知らないことについて無知であることを告白するのを、私は恥としない。
黙するは高き叫びである。
確かな友は不確かな境遇の下(もと)で分かる。
考えることは自由である。
書籍は青年には食物となり、老人には娯楽となる。病める時は装飾となり、苦しい時には慰めとなる。内にあっては楽しみとなり、外に持って出ても邪魔にはならない。特に夜と旅行と田舎においては、良い伴侶となる。
人は誤ったことを言うべきにあらず。ただし、真実なことは黙すべからず。
私の批評は創造によるのであり、あら捜しをすることによるのではない。
「名誉を軽んぜよ」と書物に書く人も、我が名を書物に記す。
自信とは、希望への確信と自己への信頼を持って、偉大で栄誉ある道に乗り出す心の感情である。
黙して隠された敵意は、公然と言われた敵意より恐れられるものだ。
最も難しい三つのこと──秘密を守ること、他人から受けた危害を忘れること、そして、暇な時間を利用すること。
人が友情を望むのは、自己の無力や貧しさのためではないか。つまり、お互いに尽くしたり尽くされたりして、自分一人ではできないことを他人からしてもらったり、また、こちらからも仕返すということではないか。
迷信は神々に対する無感覚の恐怖から成り、宗教は神々に対する敬虔なる崇拝から成る。
強欲を棄て去りたくば、その母たる贅沢を棄てよ。
二度、考え直した考えが一番いい。
私が孤独であるとき、私は最も孤独ではない。
時間がやわらげてくれないような悲しみは、ひとつもない。
心の真の医薬は哲学なり。
幸福なる生活は、心の平和において成り立つ。
怒りのさなかにあっても自分の激情と舌とを制御し続けることができ、このうえなく激しい感情の動揺のさなかでもそれの爆発を押さえて黙っていられるというのは、全く英知の、とは言わぬまでも、少なくとも普通以上の精神の強さを証すものだ。
沈黙を守っている知恵、あるいは発言する力なき知恵は無益なり。
自己の所有以上を望まぬ者は富者なり。
人生から友情を取り去ることは、世界から太陽を取り去ることに等しい。
礼儀正しい、決して腹を立てない人物は、まさに大人物と呼ぶにふさわしい。
誤謬(ごびゅう)を犯すは人間の性(さが)なり。
嘘つきは真実を語りても信じられず。
書籍なき家は、主人なき家のごとし。
我々が自由でありうるために、我々全員が法律の奴隷となる。
家を建てる人全てに私が言いたいのは、所有者が家の装飾品となるべきで、家が所有者の装飾品になってはならない、ということだ。
人々の善が最高の法律である。
長生きをしたければ中庸の道を歩け。
生きるというのは、考えるということである。
最高位を望みながら、第二位どころか第三位に甘んじることは、決して不名誉なことではない。
知恵とは、求めるべきもの及び避けるべきものについての知識なり。
感謝は最大の徳であるだけでなく、全ての徳の源である。
人は二つのこと、すなわち考えることと働くことのために生きてきた。
炉辺(ろばた)のまどいより怖ろしきところなし。
私はその人柄の中に老人的なものを幾らか持っている青年を好ましく思う。同じように青年的なものを幾らか持っている老人を好ましく思う。このような人柄の人間は体が年をとっても心が老いることは決してない。
手紙では人は赤面しない。
汝は生きるために食うべきで、食うために生きるべきではない。
自制とは、理性に従いて人間の欲求を抑制することなり。
歴史は人生の師である
事故の原因は、事故そのものよりも興味深い。
楽しみへの期待は、過去の楽しみの回想につながるものなり。
第一に必要なのは大胆さ、第二に必要なのも大胆さ、第三に必要なのも大胆さだ。
誰でも間違いをすることはある。しかし、間違いに固執するのは馬鹿以外にはない。
習慣によって、言わば第二の天性が作られる。
人間の一生を支配するのは運であって、知恵ではない。
アドバイスは結果を見てから評価されるものだ。その意図によってではない。
子は子の全財産を子とともに運ぶ。
人はひとりでいる時が、もっとも精神的に多忙である。
誹謗はあるとげを遺(のこ)す。利口で名誉ある人々もそれに堪えることは至難である。
武器がものを言うとき、法律は沈黙する。
地位ますます高くなれば、いよいよ謙虚にならなければならない。
長生きするには、ゆっくり生きることが必要である。
犯罪に対する最大の動機は、罪を回避せんとする希望なり。
顔は精神の門にして、その肖像なり。
困難が大きければ大きいほど、栄光も大きい。
運動と節制は、老境になっても、何らかの若い力を維持し得る。
実(げ)に無分別は青春につきもの、分別は老熟につきものである。
ヤギだの羊だのを各自がどれくらい持っているかは言えても、友達をどれくらい持っているかは言えない。
高潔な人物や高尚な天才の中には、貪欲なまでの名誉や権力、栄光への欲望があるものだ。
神より賦与されたる人生は短きも、楽しく送りし人生の記憶は永遠なり。
へつらいとは、悪徳の侍女なり。
勇気のない者は、賢いとはいえない。
たとえ神とは何であるか知らなくても、神をあがめることを知らない民族ほど野蛮な民族はない。
不死不滅という希望なくしては、何人といえども、国家のために死ねるものにあらず。
賢明な思考よりも、慎重な行動が重要である。
あらゆる職業の中で、最も生産的で、最も楽しく、最も自由人に適するものは農業である。
度を越してはならない。節度をもって取り組め。
大自然にひとつの法あり。それはすべての人間に共通であり、理性的であり、永遠なるものなり。
あなたに対してもっとも賢明な助言ができるのは、あなた自身である。
倹約は大いなる収入である。
真の友情を官職とか国家の公務に従事する人々の間に見出すは、最も困難なり。友の昇進を自己のそれよりも大切に思うごとき人物が、いずこに見出しえるか。
記憶はあらゆる物事の宝であり、守護者なり。
おお汝、人の世の道しるべをなす学問よ。徳を求めて倦(う)まず、もろもろの悪徳を駆逐する学問よ。汝の教えにしたがいて有益に過ごせる一日は、罪に包まれる永生(ながい)きに優る。
人と一緒にいる時が、最も孤独な時だ。
不要なものなら、なくて困るということはない。
己自身に全面的に頼り、己自身のうちにすべてを所有する者が幸福にあらざるなどはありえず。
恩を受けた人は、その恩を心に留めておかなければならない。しかし、恩を与えた人はそれを覚えているべきではない。
酒を飲まない人間は思慮分別を期待されない。
借財は底なしの海なり。
私にとって、真の道理のほうが民衆の意見より価値がある。