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幸田露伴

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幸田露伴は、日本の近代文学を代表する作家の一人である。慶応3年に江戸下谷三枚橋横町(現東京都台東区)に四男として生を受け、「露伴、漱石、鷗外」と並び称されています。彼は小説家、考証家として、『風流仏』『五重塔』『運命』などの文語体作品で文壇での地位を確立し、歴史上の人物、漢文学、日本古典や諸宗教にも通じ、多くの随筆や史伝のほか『芭蕉七部集評釈』などの古典研究などを残しました。

見栄の行きどまりは、馬鹿げて大きなる石をかつぐ事なり。
其日(そのひ)に自分が為(や)るだけの務めを為(し)て了(しま)ってから、適宜(いいほど)の労働(ほねおり)を仕(し)て、湯に浴(はい)って、それから晩酌に一盃飲(や)ると、同じ酒でも味が異(ちが)うようだ。これを思うと労働(ほねおり)ぐらい人を幸福にするものは無いかも知れないナ。
釣(つり)の妙趣は、魚を多量に釣り上げる事にあるのでは無くて、釣糸を垂れながら静かに四季の風物を眺め楽しむ事にあるのだ。
どんな人もその気になれば友だちは見つけられる。現実生活に友だちがいない人にも、唯一友人を準備してくれるものがあるとすれば、それは書籍だ。
真の文明というものは、すべてある人々が福を植えた結果なのである。
美しく生まれつきたる女、十人に六人は心おごれり。美しく生まれつきたる女、十人に六人は智乏し。美しく生まれつきたる女、十人に六人は命薄し。
仕事をして一盃(いっぱい)やると、同じ酒でも味が違う。これを思うと、労働ぐらい人を幸福にするものはないかもしれない。
人間は自分がいるところが曇ると、一部分ではなく、全体が曇ったと信じてしまう。
世間は気次第で忌々(いまいま)しく面白くなるもの。
恨みも憎しみも火上の氷