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国木田独歩

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国木田独歩は日本の小説家、詩人、ジャーナリスト、編集者であり、「武蔵野」「牛肉と馬鈴薯」「春の鳥」「竹の木戸」などの作品で自然主義文学の先駆とされている。また「婦人画報」の編集者としての手腕も高く評価され、夏目漱石、芥川龍之介などとも交流があった。

品性の美はすべての美中の最美なものである。
僕は時間の長短が人の真の交わりに関係するとは信じない。
昔の恋は詩で今の夫婦は散文である。
忍耐と勤勉と希望と満足とは境遇に勝つものなり。
友を得るに急なる勿(なか)れ。親友は自然に得る者なり。
(迷っても)帰りも矢張(やはり)凡(およ)その方角をきめて、別な路(みち)を当てもなく歩くが妙(みょう)。そうすると思わず落日の美観をうる事がある。
人生は戦争なり。戦いを宣告した上は、書に向かっては書を征服し、人に向かっては人を征服し、事業に向かっては事業を征服するまで止(や)むべからず。何物、何事、何人(なんぴと)に対しても討死(うちじに)の覚悟を以(もっ)て戦うべし。死すとも勝つの覚悟あれ。
山林に自由存(そん)す。
人はどんな場合に居ても常に楽しい心を持ってその仕事をすることが出来れば、即ちその人は真の幸福な人といい得る。
(迷ったからといって)同じ路(みち)を引きかえして帰るは愚である。
汝の熱心を誇るなかれ、真面目を誇るなかれ。真面目という心持ちは、大して価値あるものにあらざるなり。
五人と争わば、先(ま)ずその一人を倒せ。然(しか)る後に他の一人、他の一人と。斯(か)くすれば、他の二人は、戦わずして自ら潰(つい)えむ。
道に迷うことを苦にしてはならない。どの路(みち)でも足の向く方へゆけば、必ずそこに見るべく、聞くべく、感ずべき獲物がある。
人の力を以(も)って過去の事実を消すことの出来ない限り、人は到底運命の力より脱(のが)るることは出来ない。
新しき友を探して廻る者は遂に真の友を得る時なけん。
女は三ヶ月経つと飽きてしまう。夫婦なら仕方ないからくっついているが、あくびをかみ殺してその日を送っているにすぎない。
敵は多きを恥じず。されど、敵として其(その)人を選(えら)め。卑しき敵は持ちたるだけにて此方(こちら)の敗北なり、恥辱なり。
第三者の目より恋をする男女を見れば、ひとつの痴態(ちたい)にすぎず、されど恋する男女にとりては、その痴態も真剣なり、真面目なり。
人間一生、いやしくも命のある間は遊んで暮らす法はない。
恋は多くの(人生の)苦痛を包むオブラアトなり。
人は不幸と下劣と醜悪とを甘受して始めて幸福と善美とを得ん。
失敗しながらも煩悶しながらも或(ある)仕事を企ててそれに力を尽くした日の方が、今の安息無事よりも願わしい。
宗教心なき人間は、最も劣等なる人間なり。
自信ある者は決して受動的ならず。信仰ある者は決して受動的ならず。天職を知り、天命を知る者は決して受動的ならず。
読書を廃す、これ自殺なり。
夫(そ)れ警察の法たる事無きを以(もっ)て至れりと為す。事を治むる之(これ)に次ぐ。
富と功名!これ実に誘惑なり。吾は日々この誘惑に出あう。
自分を生んだから自分の母だ、母だから自分を育てたのだ。そこで親子の情があれば真実の親子であるが、無ければ他人だ。
人生は戦争なり。戦いを宣告した上は、征服するまで止(や)むべからず。何物、何事、何人(なんぴと)に対しても討死(うちじに)の覚悟を以(もっ)て戦うべし。死すとも勝つの覚悟あれ。
実行せざる思い付きは空想と称し、また妄想と称す。
男女相愛にして肉欲に至るは自然である。肉交なき恋は、事実にあらずして空想なり。
人は境遇と交友とに由(よ)りて、知らずともよき事まで知り、感得すべからざる事までも感得す。