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中野重治

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中野重治は、日本の小説家・詩人・評論家・政治家である。代表作として、明治35年に歌のわかれを発表した他、むらぎも、梨の花、甲乙丙丁などの作品がある。詩人の中野鈴子は実妹、女優の原泉は妻。福井県坂井市出身で、東京帝国大学文学部独文科卒。窪川鶴次郎らと知り合い、短歌や詩や小説を発表するようになる。西洋系文学を専門とするなかで、マルクス主義やプロレタリア文学運動への参加も行う。1931年に入党、3年後に転向したが戦後、再び共產党に入る。新日本文学創刊に携わり、平野謙、荒正人らと政治と文学論争を引き起こした。

未練が老醜のはじまりではないだろうか。
娘たちよ、また青年よ、また五十すぎた私自身よ。事がうまく運ばぬからといって決して腰を引くな。どこまでも自尊心を謙虚に保って、筧(かけい)の水のようにしたたり溜めて行けということである。
どこまでも自尊心を謙虚に保って、筧(かけい)の水のようにしたたりを溜めて行け。
男と女とは学問においても、単純な教育においても手を取りあって歩くべきものだ。
偉い人間にはなれなくても、善い人間にはなれる。
かしこく思われる必要なし、かしこくあることのみ必要なのだ。
知識は能力となる時に貴い。
ない宝をもとめずにある宝を掘り出すことだ。
犠牲の大きさと(犠牲の)よろこびのおごそかさを知るものが、ほんとうに(、)たたかい生きてゆく民族の命をうたうことができる。
芸術家は、彼の作品が永遠に残ることなぞを目当てるべきでなく、彼の作品なぞを必要としないような美しい生活が人間の世界に来ることを、そしてそのことのために彼の作品がその絶頂の力で役立つことを願うべきであろう。
私は月をながめ お前のことを考える 私はお前に逢いたい
目の前の利害にとらわれると、根本をそこなうだけでなく、目の前の利益をもそこなう。
人の先に立ってものをいったからには変節は許されない。今までどんなことを書いてきたとしても、転向で帳消しになってしまう。
弓(ゆ)づるはかけっ放しにしておくと弾力がなくなって役に立たなくなる。
今日の問題を真面目に考えるという態度をもっていないならば、明日のことは絶対に考えることができない。