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及川眠子

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及川眠子は、ミニカのPRソングの歌詞を募集するコンテストに応募した作品が審査員好意を得て、作詞家を志した。その後の才能を開花させるよう企業や出版社等から詞の依頼が殺到し、ギターを弾くことが出来なかった彼女は作詞家として活躍している。千曲以上の作品を発表し、『残酷な天使のテーゼ』で日本の音楽シーンを牽引した大御所作詞家である。

表現者の端くれとして言わせてもらうが。誰も傷つけないものを書く自信は私にはない。何が人を傷つけるのか、逆に何が人の気持ちを救うのか、個人の心はすべて違うからわからない。少なくとも私たちは自分の身や心を削って物を生み出していて、これだ!と信じたものを世に提示しているだけ。
誰も傷つけないものを書こうとして凡庸な作品を生み出してしまう、私はそれを最も恐れる。表現者とは、自身の中のゴミや泥や宝石や、それらを吐き出さずにはいられない心の持ち主のことを言うんじゃないかな。
小説家でもエッセイストでも作詞家でも、とにかくプロの物書きになれる人は、まず自分自身を俯瞰で見つめることが出来る人だと思います。自分が可哀想と思った時点で物語は終わる。ネタも尽きる。書き続けられるのは、自分自身の心でさえも他人のもののように扱える人だけだと思う。
生きづらいだろうなぁという子に時々出会う。頭のいい人ほど、実は生きづらい。だから、どうしようもないときは死ぬという選択もあるよ、と私は言う。死んでもいいんだって思えたら楽になることもあるから。周りに合わせなくてもいい、人に好かれなくてもいい、とにかく自分が楽に生きられればいいよ。
あなたは強いよね、その強さの秘訣は何なの?と人に訊かれて、とことんやってダメだったら死ねばいいやと思ってるからと答えたら、死ぬという選択は私にはないなぁと言われた。うん、そういう人の方が幸せだよ。でも死ぬということを前提に生きてる私も不幸せではない。