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梅崎春生

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海軍体験を基にした小説『桜島』の成功で、第一次戦後派の代表的存在となった梅崎春生(1915-1965)は、作家としての地位を確立した。福岡市簀子町(現中央区大手門)出身であり、東京帝国大学文学部国文科を卒業後、東京市教育局教員となり、在学中から文学活動を行った。『桜島』以外にも戦争物のほか、人間心理の暗闘を戯画的に描いた作品でも評判を得、『幻化』を遺して没した。

近頃の若い者云々(うんぬん)という中年以上の発言は、おおむね青春に対する嫉妬の裏返しの表現である。
既成事実さえできれば、理屈や弁解はあとからどうにでもつくもんだ。
若い者にロクデナシが一人いたとしても、それは大したことではないが、社会的地位にある年寄りにロクデナシが一人いれば、その地位が高ければ高いほど、大影響を与えるものだ。
人間はすべてのことを、大体自分の都合のいいように解釈するものである。(都合の悪いほうに解釈するようになると、その人はノイローゼという病名を与えられる。)友情だってその例外ではない。
どのみち死なねばならぬなら、私は、納得して死にたいのだ。
悪口というのは、常に必ず自分のところに戻ってくる。
現今にあっては、枢要の地位にある年寄り達の中に、ロクデナシが一人もいないとは言えない。いや、言えないという程度ではなく、ウヨウヨという程度にいると言ってもいい状態である。それを放置して、何が今どきの若い者であるか。