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福田健

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福田健は、起業家、作家、コンサルタントであり、CNS話し方研究所の会長を務める日本のプロフェッショナルです。話し方と聞き方を軸に、講演や執筆活動を行っており、言論科学振興協会の話し方運動にも参加しています。

格好をつけるよりも、ありのままの(弱い)自分を出すほうが、結局は強い自分を作るのだ。
「正しいこと」を言っている場合でも、相手を傷つけたり、激怒させれば、それは「失言」なのである。この場合、「表現が不適切」、つまり言い方が問題ということになる。
失言を防ぐには、相手の受け取り方、つまり“話の聞かれ方”を考える習慣を身につけなければならない。得てして、独りよがりな物言いが失言につながるのである。
あなたの発言は、相手に聞かれることによって意味が生じる。問題はどう聞かれるかだ。この点を考えずにものを言うから、「失言」が生じるのである。
謝るときの三つのポイント──1.できるだけ早いうちに2.言葉と態度で3.弁解はしないでいさぎよく
人は、自分の背丈以上のコミュニケーションはできない。
いやなことは忘れる、とよく言われる。実は忘れているのではなく、意識の奥に閉じ込めているにすぎない。したがって、何かのきっかけで、ひょっこり(意識の)表面に現れてくることがある。
「謝る」ときのポイントは、できるだけ早いうちに謝ること。時間が経過すればするほど、謝りにくくなるうえに、(謝罪)の効果も薄れていく。場合によっては、その場で謝ることだ。
言葉を発するとき、「自分は正しい」との思いに寄りかかっていないだろうか。その結果、他人の気持ちへの洞察を欠いてしまうことがある。正しければ通じるほど、人の心は簡単にできていない。
今が(謝る)チャンスというときに謝ってこそ、謝りが生きる。
誰にとっても、我が家ほど安心してくつろげる場所はない。
毒舌家は「思い上がり」「自己過信」が、冗談好きは「独り善(よ)がり」「凝り過ぎ」が、失言の原因となる。どちらも度を越えてしまうことが原因である。
一般に、正論を言う人は次のような傾向がある。1)表現がストレート──あいまいさがない。2)強い否定を伴う表現が多い──特に間違いを指摘するとき。(反発されずに)正論を言うコツは、「少し控えめに」「肯定表現を使って」の二つを心がけることである。
失言を引き起こす要素として、真っ先にあげられるのが、「油断」「感情」の二つである。油断と感情は、人間性に深く根ざしているので、反省があっても、「つい、うっかり」「頭に血がのぼって」を防ぐのは容易ではない。
失言は避けられないものとの認識からスタートすべきだろう。そうすれば、(悪い意味に受け取った)相手を責めないで、失言から学ぶことができる。(失言から)学ぶ姿勢は、聞かれ方を考えてものを言う態度につながる。
いさぎよく失言を認めて謝ることができれば、生じたマイナスの空気を、プラスの方向に変えられることもある。
自分の気持ちをありのままに表現するのは、難しいコミュニケーションの一つである。
人をひきつけ、人に好かれる人間は、三つの要素を備えている。(一)対応力がある。(ニ)サービス精神が旺盛。(三)自分の頭でものを考える。
人前で話すときは、思いつきで話すのではなく、十分に準備する。
雑談をしていて楽しい、魅力がある……そんな人物がいるものだが、こういうタイプは仕事をさせてもできる男である。営業でも実績をあげている。人をひきつけるし、人に好かれるからである。
人間は相手の苦労などわかろうとせず、自分の立場で言いたいことを言うものだ。
毒舌家も冗談好きも、相手への観察を怠らず、ほどよくコミュニケーションしているうちは、「口は悪いが魅力的な人」「冗談がうまくて楽しい人」と、むしろ注目を集める。だが、度を越すと、(それまで)歓迎されていた毒舌と冗談は失言に変わり、非難を浴びることになる。「毒舌」「冗談」と「失言」は紙一重なのだ。
コミュニケーションの結果の判定は相手が下す。正しいことを伝えても、それをどう受け取るかは、相手の決めることなのだ。
あなたの発言を失言と受け取るか、ユーモアと解釈するかは、相手が決定する。
日本の政治家に失言が多いのは、準備もせずに思いつきを話すからではなかろうか。
人間は自分が言ったこと、口にしたことを、すべて意識して言ったとは限らない。自分ではまったく意識にないことを口にしてしまう。それも、「そんなことは口にすべきでない」「そういうことは言ってはならない」と、意識の部分では口に出すまいと努めていることを、ひょいっと言ってしまうのである。
こっちの苦労をわかってもらおうなどと、期待しないこと。
酔ったときに、その人の本性が現れる。飲みニケーションの場は、人間観察・人物評価にもってこいの場なのである。人間を知るのに、これほど面白い、また、役に立つ場はない。
酒飲みは、自分が酔うと、相手も同じ程度に酔っていると思いがちだ。しかし相手は、酔っているように見えても、案外しっかりしているものである。中には、酔った振りをして、言いたいことを言わせようとする者もいるから、油断がならない。
それ以上積み上げたらラクダが倒れてしまう最後の一本の藁(ラスト・ストロー)の見極めをつけ、そこで止めることができるかどうかが、(物事の)結果を大きく変える。
大勢の前に立って緊張したときは、深呼吸が役に立つ。無理に喋ろうとしないで、深呼吸から始める。気持ちも、次第に落ち着きを取り戻してくる。
言葉で謝っても、本当に謝っているかどうかは態度に出てしまうから、すぐわかる。謝るなら、心を込めて全身で謝る。
相手の持ち物をやたらにけなしてはならない。
(人前で話すとき)極度に緊張すると、思いがけない言い間違いをするものだ。そんなとき、キーワードを大きく書いた紙を手に持っていれば、「苦しいときの紙頼み」で、紙が神になってあなたを救ってくれる。
心の余裕を左右する要因は2つ。第一に肉体的・精神的疲労。疲れていると情緒不安定になる。第二に、経験の有無。経験の蓄積がないと、情報不足から不安になる。
スピーチの準備のポイントは、次の三つである。1.話す内容を順序よく整理しておく。2.キーワードを紙に大きく書いて、しっかり頭に入れておく。3.人前に立った時、キーワードを書いた紙は手に持っていること。
一方をほめることは他方をけなす要素を含んでいる。
失言したと思ったら、すぐに気持ちを切り換えて、謝る。この切り替えの早さが、いさぎよさになって、プラスの印象を与えることができれば、失言によるダメージを減らすことができる。