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福永武彦

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福永武彦は日本の作家であり、彼の最も有名な作品である『草の花』は戦時下の青春を描いた小説です。その他にも『死の島』や『海市』などの作品もあります。1918年に福岡県筑紫野市で生まれ、東大仏文科卒になり、父が三井銀行の機関銀行員、母が日本聖公会の布教師だった福永武彦は、日本を代表する作家として知られています。

未来は偶然ではない。未来は或る程度まで現在を生きる時の勇気と、事に当たっての正しい選択とによって決定される。
愛と孤独との関係に於(おい)て、孤独は常に双六(すごろく)の振出(ふりだし)である。が、愛は決して上(あが)りではない。
愛は孤独と相対的な言葉だが、決してその反対語なのではない。
人は愛があってもなお孤独であるし、愛がある故に一層孤独なこともある。
よく生きられた生涯は、たとえ短いものであっても、人々の追憶の中に再びその生涯を生きるだろう。
愛することは愛されることよりも百倍も尊いし、愛の本質はあくまで、愛することにある。
女というものは座りかたで本性が分かるものだ、もしくは椅子に腰を下ろすその掛け方で。
人を愛するときに、わざわざ苦しみを求める馬鹿はいない。誰しも、愛の中に肉体の快楽を──しからずんば一種の肉体的快楽を期待して愛し始めるのだ。
愛の迷路にふみ迷っている人間にとって、愛することと愛されることとを厳密に区別することは出来ない。
愛されることは生ぬるい日向水(ひなたみず)に涵(ひた)って、自己の孤独を暖めることにすぎないが、愛することは危険な冒険であり、一か八かの賭けであり、そこでは傷が一層深くなることを恐れるわけにはいかないのだ。
美しい純潔を守るよりも、美しく純潔を守ることの方が遥かにむつかしいのだ。
旅というものは、時間の中に純粋に身を委ねることだ。