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伊庭貞剛

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伊庭貞剛は、近江国出身で明治時代の実業家である。大正15年に死去した。彼は住友社の第二代社長として活躍し、東の足尾と西の別子で知られる住友新居浜精錬所の煙害問題の解決にあたった。また環境保護にも力を注ぎ、企業の社会的責任を先導した。

自分一代でできねば二代、三代かけてやるくらいの決心で人事をつくすなら、成功は天地の理法として自然と来るものである。
金というものは、儲けようとして儲けられるもんじゃない。授かるものじゃ。
言葉は八分(はちぶ)でとどめて、あとの二分(にぶ)は、むこうで考えさせるがよい。わかる者には云(い)わずともわかるが、わからぬ者にはいくら云ってもわからぬ。
金運はまことに妙なものじゃ。因縁(いんねん)のある金はいくら掃き出すようにしていても這入(はい)ってくる。因縁がなければ、腹にくくりつけておいても、さっさと出ていってしまう。
仕事のうちで一番大切なことは、後継者を得ることと、後継者に仕事を引き継がしむる時期を選ぶことである。これがあらゆる仕事中の大仕事である。後継者が若いといって、譲ることを躊躇するのは、おのれが死ぬということを知らぬものだ。
因縁(いんねん)とは、まことに妙なものだ。因縁のある金は、いくら掃きだすようにしても入ってくる。因縁がなければ、腹にくくりつけていてもさっさと出ていってしまう。人間もこれと同じだ。
なにごともゆっくりやりなされ。トントン拍子に出世すると、せっかくの出世の芯が思わぬところで止まってしまう。
人というものは、才能を信頼してやれば、その信頼に応えようと、全智全能を発揮するものだ。
友とは憎み合った時のことを考えてつき合え、敵とは愛し合ったときのことを考えてつき合え。
人の悪口をいう。人の悪口は天に向かって唾するようなもので、禍(わざわい)はわが身に来る。
事業の進歩に最も害をなすものは、青年の過失ではなくて、老人の跋扈(ばっこ)である。
青年は鋭気に任せて成功を急いではならぬ。いまの時勢は順序を履(ふ)んで進むものでなければ、決して成功しない。急ぐと無理が出る。手抜かりができる。