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尾崎放哉

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尾崎放哉は東京帝国大学法学部を卒業後、東洋生命保険(現・朝日生命保険)に就職した。「層雲」の荻原井泉水に師事、自由律俳句の雄として知られる。敗残の身を小豆島に落ち着かせた以後の作品には、一層の深みと象徴性が加わっている。'

節分の豆をだまつてたべて居る
なんにもない机の引き出しをあけて見る
君去つて椅子のさびしき暖炉哉(かな)
入れものが無い 両手で受ける
女よ女よ年とるな
すぐ死ぬくせにうるさい蠅だ
お月さんもたつた一つよ
咳をしても一人
働きに行く人ばかりの電車
墓地からもどつて来ても一人
言ふ事があまり多くてだまつて居る
障子しめきつて淋しさをみたす
こんなよい月を一人で見て寝る
ハンケチがまだ落ちて居る戻り道であつた
とんぼが淋しい机にとまりに来てくれた