竹村健一
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竹村健一は1930年に日本の山陽特殊製鋼の技術者だった父と母の間に生まれ、1955年から英文毎日の記者を務めていた。1963年に新日鐵グループの山陽特殊製鋼へ入社し調査部長になるが、1年後に退社し、その後はアメリカ・フルブライト財団主催のフルブライト奨学金制度の第1号となり、追手門学院大学英文科を卒業、ジャーナリストとして活躍する。1989年には第5回『正論』大賞を受賞している。
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大抵の人は、(他人より劣っているという)事実を事実として認めたがらない。あるいは事実を隠し通そうと努力する。だから「失敗したら大変だ」という意識ばかりが先に立って、目の前にやりたいことがあっても、なかなか手を出せない。
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寿司に特上と上と並があるように、人にも、さまざまな生き方がある。同じ一度きりの人生なら、特上の人生を送りたいじゃないか。生まれてから死ぬまで一貫して特上、でなくても構わない。せめて人生の一場面でもいい。
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私は劣等感を肯定し、「駄目なオレが失敗してもともとや」という居直り精神から再出発した。小さなプライドを捨てた。見栄や気負いもなく、無欲恬淡(てんたん)に手当たり次第のことをやってきた。他人に笑われることを怖れなくなったおかげで、本当にいろいろなことができた。