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ジョン・スタインベック

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ジョン・アーンスト・スタインベックは、アメリカの小説家&劇作家で、『怒りの葡萄』で立てた貧窮にあえぐ小作農民の描写でピューリッツァー賞を受賞した。『エデンの東』ではキリスト教的原罪と人間の救いの可能性を探求し、1962年にノーベル文学賞を受賞した。サリナス峡谷やコースト・レーンジー山脈が繰り返し舞台となった彼の作品は西洋文学の代表作として知られる。

人間は、宇宙におけるさまざまな組織体のどれとも異なって、自己の創造したものを乗り越え、自分の思想の枠を踏み越え、自分の投げたものの彼方(かなた)に立ち現れるものである。
人間は、この宇宙における、有機物、無機物を問わず、ほかのどんなものとも違って、自分の創り出すものを超えて成長し、自分の考えの階段を踏みのぼり、自分のなしとげたもののかなたに立ちあらわれるものだ。
働きたくてうずく筋肉、ただ一個人以上のものを作り出そうとしてうずく心、これが人間なのだ。
光の街があるなどということは嘘だ。世界が一つのかがり火になるなどということはない。すべての人が自分の火を持ってるだけ、孤独な自分の火を持っているにすぎない。
弾圧は、弾圧される者を強力にし、結合させる作用があるだけである。
新聞は世界中で一番便利なものだ。読むことはできないが、他のことになら何にでも使える。
成長しようとしてうずく筋肉、単なる必要を乗り越えて何かを作り出そうとうずく精神──これが人間なのだ。
人間は、唯一の罪深い動物である。
旅は出張と違い、性格があり、気風があり、個性があり、独自性がある。
あちこち動きまわらねえと、あれもこれも考えはじめるもんだぜ。
犬があきれたような眼差しでこっちをじっと見ていたことがあった。だがその視線は、ほんの一瞬で消え去った。そして私は、犬というのは人間を“ちょっと変だ”と思っていると確信した。
真実の中にはより多くの美しさがあるんだよ。たとえそれが恐ろしい美しさであってもな。
財が少数の者の手によって蓄えられると、それは奪い去られる。
飢えた人々の目の中には、次第にわき上がる激怒の色がある。人々の魂の中には「怒りのぶどう」が次第に満ちて夥(おびただ)しく実っていく。
窮乏は思想への刺激となり、思想は行動への刺激となる。
善人だ、と人に言われる人間には、思慮分別なんかいらない。利口者に善人なんぞいるわけはないのだ。
人間は、時に誤りを犯しながらも、足をのばして前進する。時にはすべって後ずさりすることがあるかもしれないが、完全に一歩後退することは決してない。
本を書く商売に比べたら、競馬なんて堅実で安定した職業に思えてくる。