角田光代のプロフィール画像

角田光代

@01gr369071zt23vxc2dnnt7gyv

角田は、大学在学中の1988年に彩河杏名義で書いた『お子様ランチ・ロックソース』で上期コバルト・ノベル大賞を受賞したことで小説家としてデビューしました。1990年に『幸福な遊戯』で海燕新人文学賞を受賞して角田光代としての活動を開始しました。1996年に『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞を受賞し、2005年に『対岸の彼女』で直木賞を受賞しました。また、児童文学作家として著書も出版しており、ジュニア小説から大人向けまで活動の幅広い作家です。

ひとりでいるのがこわくなるようなたくさんの友達よりも、ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる何かと出会うことのほうが、うんと大事な気が、今になってするんだよね。
何かをやりたいと願い、それが実現するときというのは、不思議なくらい他人が気にならない。意識のなかから他人という概念がそっくりそのまま抜け落ちて、あとはもう、自分しかいない。自分が何をやりたいかしかない。
交わした言葉が、笑い合ったささやかなことが、言い合いしたつまらないことが、相手のことを考えた時間が、ともに目にした光景が、すべてゆっくりと消化され、わたしの栄養になりエネルギーになった。それは失われたのではなく、今もわたしの内にある。あり続ける。
(おかあさんになって)よかったか、よくないかなんて思ったことないわ。だって私、なんだか生まれたときからあんたのおかあさんだったような気がするんだもの。おかあさんじゃない自分なんて今さら想像できない。
前はむしろ、(読者が)引っかかるように書いていた。でも引っかかるところをそぎ落とした方が文章は早く伝わるな、と。物語の輪郭がはっきりしている場合は早く伝えた方がいい、立ち止まらせてはいけない、とわかったので、そこからは、基本的に短く簡潔な文章を心がけています。
仕事を選ぶヒントをひとつ挙げるとすれば、何時間やっていてもまったく苦にならないもの。
何かをやりたいと願い、それが実現するときというのは、不思議なくらい他人が気にならない。(中略)だれが馬鹿だとか、だれが実力不足だとか、だれがコネでのしあがったとか、だれが理解しないとか、だれが自分より上でだれが下かとか、本当にいっさい、頭のなかから消え失せる。
今日、こわがらずに家を出ていけるのは、迷子にならない保証や困った事態にならない確信があるからじゃない。何かすてきなことや人にきっと会える。困ったときにきっとだれか助けてくれる。そう思うことができるから、なんとか今日も明日も、出かけていけるんじゃないか。大げさにいえば、生きていかれるんじゃないか。
立場が違うということは、時に女同士を決裂させる。女の人を区別するのは、女の人だ。
大事なことは自分にとってのいい仕事とは何かをはっきりさせることです。お金なのか、得意分野なのか、チャレンジができることなのか。ここがぼんやりしていると、堂々巡りの迷路に入り込みかねない。