洪応明
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洪自誠は、中国明代の著作家である。科挙に合格し官界に入りそこを中途で退き、仏教と道教の研究に勤しんだとされる。有名な著作に『菜根譚』と『仙仏奇蹤』があり、詳細な経歴は不明である。
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天が幸福を授けてくれないなら、自分で(自分を)磨いて幸福を得よう。天が肉体を苦しめるなら、精神を楽にして苦しみを減らそう。天が進む道を阻(はば)むなら、努力してわが道を貫き通そう。こうすれば、天といえども、どうすることもできないだろう。
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人は誰でも、一生のうちに、自分一人の思案では決めかねるような大事件にぶつかるものだ。だから、思慮深くて物事の良し悪しをわきまえた友人を普段から作っておき、常に親しく付き合って、大事件に出会った時にはその人に相談するとよい。
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身を持するは軽くすべからず。意を用うるは重くすべからず。■(全文)士君子、身を持するは軽くすべからず。軽くすれば、物よくわれて撓(たわ)めて、悠間(ゆうかん)鎮定の趣なし。意を用うるは重くすべからず。重くすれば、われ、物のために泥(しず)みて、瀟洒(しょうしゃ)活発の機なし。
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労働は三つの得。朝夕の食事は軽くして、労働するのがよい。おごって美酒美食を好み、怠けて遊び暮らしてはいけない。おごらず、怠けずという生活は、第一に人格が養われ、第二に健康が保たれ、第三に財産を増やすという三つの得がある。
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天地は永遠であるが、人生は二度と戻らない。人の寿命はせいぜい百年、あっという間に過ぎ去ってしまう。幸いこの世に生まれたからには楽しく生きたいと願うばかりでなく、ムダに過ごすことへの恐れを持たなければならない。
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歳月は、元来、長久なものであるが、気ぜわしい者が、自らせきたてて短くする。天地は、元来、広大なものであるが、心根の卑しい者が、自ら狭くする。四季は、元来のどかなものであるが、あくせくする者が、自ら煩わしいものとしている。
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世渡りで身を保って行くには、あまり潔癖すぎてはならない。一切の汚れや穢れも、すべて飲み込むようでありたい。人と交わるには、あまり几帳面すぎてはならない。一切の善人悪人、賢者愚者をも、すべて包容することができるようでありたい。