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佐藤春夫

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佐藤春夫(1892年~1964年)は近代日本の詩人・小説家であり、艶美清朗な詩歌と倦怠・憂鬱の小説を軸に、文芸評論・随筆・童話・戯曲・評伝・和歌など多岐に活動を行いました。筆名を潮鳴、沙塔子、能火野人と称し、明治末期から昭和まで旺盛に活動しました。

神は人間に孤独を与えた。しかも同時に人間に孤独ではいられない性質をも与えた。
すべての平和と幸福とは、短い人生の中にあって最も短い。それはちょうど、秋の日の障子(しょうじ)の日向(ひなた)の上にふと影を落とす鳥かげのようである。つと来てはつと消え去る。
幸福などというものは世の中にはありはしない。それぞれの人間がそれぞれに一つずつ不幸を持っていて、その不幸をいやすためにこそ生きているのだ。
人間はもっと間が抜けた方がいいね。
俗物ほど強い敵はいない。
若き二十のころなれや三年がほどはかよひしも酒、歌、煙草、また女外(ほか)に学びしこともなし
やきもちやきの女とかけて何と解く。闇におびえてたける子犬と解く。そのこころは?うるさい。ばかばかしい。腹が立つ。
悲しみは堅いから、あまり堅いから (呑んだり噛んだりこなしたり)、人はひとつの悲しみから、いくつもの歌を考え出すのです。