徳冨蘆花
@01gr39b1dawd0n1c1135pxw2kf
徳冨蘆花は日本の作家であり、肥後国葦北郡水俣村に生まれる。明治元年10月25日(1868年12月8日)生まれで、本名は徳富健次郎(とくとみ けんじろう)である。思想家・ジャーナリストの兄、徳富蘇峰がいる。5歳年長の兄に猪一郎(蘇峰)がいた。同志社を中退し、思想家の兄、徳富蘇峰創設の民友社に参加した。小説『不如帰』で文名を得、随筆『自然と人生』で独自の自然文学を確立した。『思出の記』、『黒潮』なども執筆した。ウ冠でなくワ冠を用いる「徳冨」の表記をこだわった。
![](https://pub-fd1245aabf684a24bea07fd8af5b3432.r2.dev/ref/01gr39b1dawd0n1c1135pxw2kf/01hc43hn6nmgvvscf9d8zyebmy.webp)
つらい、といっても零落(れいらく)ほどつらいものがあろうか。上る一歩は荊棘(けいきょく)を踏んで汗だらけになろうとも、望みというものが、上にあって引揚げる。しかしきのうまでの栄華の夢を背に負うて、真っ黒い明日のおそれを懐にいだいて、ほとほと零落の坂を下って行く一歩一歩は実に血涙である。