西岡常一のプロフィール画像

西岡常一

@01gr37c3gd3cv4avgsvn3dva49

西岡常一は法隆寺専属の宮大工として知られる日本人である。幼年期には祖父と父によって棟梁の薫陶を受け、1921年(大正10年)に生駒農学校へ入学する。その後美術大学に入学し、吉田石工を経て、歴史的な建造物として知られる法隆寺新殿などを設計した。'

木組みは木の癖で組め。癖のある木は厄介。しかし、右にねじれた部材と、左にねじれたものと組み合わせれば、強靱な力が生まれる。
世間では記憶力のいい人が頭がいいといいますが、大工の場合は記憶力も大事ですが、手が記憶どおりに動かなくてはなりませんのや。
真っすぐ伸びる木もあれば、ねじれる木もある。材質も堅い、粘りがあると様々です。木も人間と同じ生き物なんですよ。だから個々の木の声に耳を傾け、それぞれの生命を殺さずに、塔やお堂に移し替えるということが何よりも大切なんです。
法隆寺が千年の歴史を保っているのも、みなクセ木を上手に使って建築しているのです。
いまの時代では、何でも規格を決めて、それに合わせようとする。合わないものは切り捨ててしまう。人間の扱いも同じですね。それでは、理屈は通っても不自然なことこのうえない。
心の糧は五感を通して心の底に映る万象を正しゅう判断して蓄えること。これが心に飯を食わせることですな。