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二宮尊徳

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二宮尊徳は江戸時代後期の経世家、農政家、思想家である。報徳思想を唱え、報徳仕法を指導したことで有名な存在である。曽我別所村・川久保太兵衛の娘・好(よし)を母とし、中島弥三右衛門の次女・きの(キノ)と岡田峯右衛門の娘・なみ(波子)を妻とし、尊徳自身は7人児息を育てた。

世の人、今日飲む酒無き時は借りて飲み、今日食う米なき時は又借りて食う。是れ貧窮すべき原因なり。
大事をなさんと欲せば、小さなる事を怠らず勤むべし。小積もりて大となればなり。およそ小人の常、大なる事を欲して、小なる事を怠り、出来がたきを憂ひて出来易き事を勤めず。
人は言ふ、我が教へ、倹約を専(もっぱ)らにすと。倹約を専らとするにあらず、変に備(そな)へんが為(ため)なり。人は言ふ、我が道、積財を勤(つと)むと。積財を勤むるにあらず、世を救ひ世を開かんが為なり。
人は、とかく小さいことをいやがって大きな事をしたがるが、本来、大は小が積もったものだ。だから小を積んで大をなすよりほかに方法はないのだ。
すべて商売は売りて喜び、買いて喜ぶようにすべし。売りて喜び、買いて喜ばざるは道にあらず。貸借の道もまた貸して喜び、借りて喜ばざるは道にあらず。
可愛くば 五つ教えて 三つほめ 二つ叱って よき人となせ。
富と貧とは之遠く隔つ物にあらず、ただすこしの隔たりなり。
貧者(ひんじゃ)は昨日のために今日働き、富者は明日のために今日働く。
心の田畑さえ開墾ができれば、世間の荒地を開くこと難しからず。
氷を解すべき温気、胸中に無くして、氷のままにて用ひて水の用を為すと思ふは愚の至なり。
日々日々につもる心のちりあくた洗ひ流して吾(われ)をたづねむ
万町の田を耕すもその技は一鋤(すき)ずつの功による。
誠実にして、はじめて禍を福に変えることができる。術策は役に立たない。
天上天下唯我独尊ということを侠客(きょうかく)者流など広言を吐いて、天下ひろしといえども、我に如(し)くものなしなどというとおなじく、釈子の自慢とおもうものあり。これ誤りなり。これは釈子のみならず、世界みな、我も人も、ただこれ、我こそ天上にも天下にも尊きものなれ、我にまさりて尊きものは、かならず無きという教訓の言葉なり。
前恩を記(しる)し以(もっ)て之(これ)を報ぜんと欲する者は、事をなせば必ず成る。前恩を忘れて後恩を貪(むさぼ)る者は、事をなせば必ず敗る。
貧となり富となる。偶然にあらず、富も因(よっ)て来る処あり、貧も因て来る処あり。人皆貨財は富者の処に集まると思へども然(しか)らず。節約なる処と勉強する所に集まるなり。
一人の人間は、宇宙にあっては限りなく小さいが、その誠意は天地をも動かすことができる。
天理に叶う時、富貴(ふうき)来(きた)る。
政事は豆腐の箱の如し。箱が歪めば豆腐も歪む。
凡人は小欲なり、聖人は大欲なり。
道徳のない経済は犯罪である。経済のない道徳は陳腐である。
人は徳のある人に従いてくる。
国家最大の損失は人心の田畠の荒れたる事也。其(そ)の次は田畠山林の荒れたる事也。
荒地は荒地の中から、貧は貧の中から立ち上がり申すべし。