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岡本文弥

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岡本文弥(おかもと ぶんや)は、大阪出身の浄瑠璃太夫で古浄瑠璃太夫として知られる。道頓堀を拠点に操り芝居を興行し、カラクリや糸繰を駆使した舞台演出で得た人気は今なお続いている。弟子に三代目岡本文弥(元禄中期-末期)、都越後掾らがいる。

生きるということは、ひとつの遊びだと思っています。(中略)私の場合は、まず生活の小さな楽しみを持続させること。
朝から晩まで稽古にだけ打ち込んだって、上達なんかしやしません。
毎朝、自分で牛乳を沸かして甘くして飲みます。新聞やテレビのニュースを見ながら熱い牛乳をすする。ただそれだけのことです。でも、毎日、そうしていると、何だか楽しいの。今日のこの日があしたにつながるといった気持ちになる。ええ、「何となく、あしたが楽しい」という心境ですかな。
美しい芸は美しい生活から、美しい生活は美しい心から、楽しい芸は楽しい生活から、楽しい生活は人生を楽しく暮らす心構えから。
心中もののような暗い演目でも、芸自体は華やかでなくちゃいけない。たとえ苦しみを重ねて稽古をしたとしても、苦労が芸に表れては、聴く人の心は動かない。
世渡りで苦労を重ねてみますとね、世の中でもっとも弱い立場の人間の悲しみ、苦しみは人間共通のものだと知ったんです。苦労がなければ、人の心に沁みるような芸というものはわからなかったかもしれません。
まだ自分に進歩したいという気持ちがあるうちは、相応の体力に応じて、とにかく生き続けることが大切です。
声高に長々と(自分の芸の)理想を語ったところで、たった一節の「くどき」、つまり味わい深い歌の前には、たちまち色褪せてしまうんです。芸の感動というものは、あくまで芸の力だけのものなんですよ。