お店の中で起こったトラブルについては、「非(=原因)は(あくまでも)店側にある」という姿勢を貫くことが大切。まずは自らの非を認めて謝罪した上で、お客様に恥ずかしい思いをさせることなく事態を収拾させることです。ときには理不尽なこともあるでしょうが、これが接客の基本です。
お店の敷居を低くする一番の武器は、何よりも販売員一人ひとりの笑顔です。
相手の小さな変化に気づき、それを言葉で表すことで、心のこもった素敵なあいさつになる。
入りやすいお店には「動き」があります。ふとお店をのぞいたときに、販売員がいかにも暇そうに待ち構えていたら、誰もが入りにくいはずです。
ふだんの表情がもともと乏しく、第一印象がよくない人は、口角を上げて軽く微笑むようにします。これをするだけで、第一印象は格段によくなります。
(誰かを)苦手だと思ったら、チャンスだよ。人の好みの範囲は意外と狭いもの。自分の許容できる価値観が狭いと気づいた今こそ、自らのキャパシティを広げるチャンス。
「水は低いほうに流れる」のたとえ通り、相手の下に立って話をすると、そこから多くを吸収し、学ぶことができます。下から見ていると、ほかの人のいいところが見えてきます。「understand」は、「(人の)いいところ探しの達人」になるための第一歩なのです。
何にでも「ありがとう」と言うのは、最初はちょっと恥ずかしいかもしれませんし、違和感を覚えるかもしれません。けれども、言っているうちにすぐに馴染める、気持ちのいい言葉です。言われる側も決して気分の悪いものではありません。
経験を積むにつれて、専門用語や業界用語がどんどん身についてくるのは、販売員として誇らしいことです。しかし、その豊富な知識を、お客様に「伝わる言葉」に置き換えられてこそ、プロの販売員なのです。
(問題を解決し)本当にお客様のためになることであれば、ときには会社での決まりごとや方針にこだわらないことも大切。
ほめ言葉は、ほめる人とほめられる側の関係によって微妙に違ってくるので、マニュアル化することができない。
お客様は口には出さないながらも、「なぜ?」を聞きたがっています。その気持ちを汲み取って、「なぜ?」を先回りして説明することが、説得力のあるセールストークにつながります。
私自身がファンなんです──この思いはジャンルを問わず、お客様の心をとらえます。
人の第一印象というのは、出会った瞬間のほんの数秒(1・2・3と数える間)で決まってしまう。一分間もあれば、その人のだいたいのイメージさえ固まってしまう。
ふらりと立ち寄ってくださるお客様を増やすには、店構えをリニューアルするのも効果的かもしれません。でも、素敵な笑顔でお客様をお迎えすることのほうが、繰り返しお店に寄っていただけることにつながるのです。
たえず商品に「手を入れる」(=商品を動かす)ことで、商品がいつも新鮮に見え、売り場に「動き」をもたらしてくれる。
販売員の理想の笑顔とは、ふだん家族や恋人に見せているような親しみやすい笑顔です。あるいは、親しい友だちと町で偶然会ったときのような、肩の力が抜けた自然な笑顔もいいでしょう。
人をほめるために欠かせないのは、相手に興味を持って、よく観察することです。
余韻のあるお見送りが人の心を動かす。
販売員は3秒間同じところにいてはダメ!お客様がいなくてもテキパキと動き回り、とにかく手を休まず動かす。
お店の敷居を低くする方法があります。口角をちょっぴり上げて作業しましょう。口角を上げていると自然とほほえんでいるように見えて、それだけで話しやすく、親しさを覚えます。整頓作業をしているときこそ、口元をにこやかにします。
電話口で見えない相手におじぎをしている人を見て、こっけいだと笑う人がいます。でも、私は電話口でこそ、オーバーアクションぎみに「おじぎをする派」です。視覚からの情報がまったくないぶん、見えない相手に気持ちを伝えるためには、相手が目の前にいるつもりになって、よりオーバーに表現して、やっと伝わることがあります。
(クレームのお客様には)「わざわざご足労いただいた」「クレームをちょうだいした」という気持ちで接するようにしたいものです。
二度目のご来店のお客様は、お名前でお呼びしましょう。
「売らなくては」という意識から解放された温かい笑顔が、お客様を引きつける。
二つの商品を比べて「どっちが似合うかしら?」というお客様には、「どちらもお似合いですよ」では答えになっていません。お客様が何を望んでいるのかを把握した上で、「どちらがどう似合っているのか」を伝えましょう。
ひやかしのお客様への商品説明でも、売り場の活性化につながる。人や商品の動きが生まれることで、ほかのお客様が入ってきやすい売り場を演出することができる。
「いらっしゃいませ」「ごゆっくりごらんくださいませ」「また、どうぞお越しくださいませ」。(接客で)ふだん何気なく口にしているこれらの言葉に、遠くから訪ねてきた(自分の)家族への思いを込めてみましょう。声のトーンが今までとは、まったく違ったものになるはずです。
お店の中で人が動いているだけで、お客様が入りやすい雰囲気になります。
どんな商品をお客様は必要としているのか、イメージを固めるお手伝いをするのも販売員の役目です。
一人ひとりの価値観は実にさまざまです。世の中には多彩なモノの見方があるのだということを日ごろから意識することが、ほめ上手になるための第一歩です。
高価な商品をお客様におすすめするときは、高くても高いなりの満足感が得られることを納得していただければよいのです。
友だちに何かをしてもらったとき、つい「ごめんね」と言いがちですが、「本当にありがとうね」と言ったほうが、より感謝の気持ちが伝わるでしょう。
(見えない相手に)自分の非をわびるときに、実際に頭を下げながら「すみません」と言うのと、正面を見ながら「すみません」と言うのでは、声のトーンも変わるはずです。
自分が目をつけていた商品が売れ筋だというのは、自尊心をくすぐられるものです。
ふところがあたたたかいときは、誰もがくつろいだ気分でおしゃべりをする。
販売員が「売らなくては」という意識から解放され、買う側と横並びになって商品を見られるようになったとき、はじめて相手(=お客)の目線になれる。
クレームを受けたときには、まずはお客様の声に耳を傾けます。その場しのぎの謝罪で「すみません!」の連発は禁物です。「ご指摘いただき、ありがとうございます」と感謝し、何に対してご立腹なのか、私たちのどこに問題があるのかを教えていただき、それをしっかり噛みしめて初めて謝罪の言葉を口にするべきだと思います。
お客様に「入りにくいなぁ」と感じさせてしまうのは、ブランドイメージや店構えが敷居を高くしているだけでなく、販売員の出で立ちや態度が、二の足を踏ませてしまっている。
英語の「understand」(わかる、理解する)という単語は「under+stand」、つまり「下に立つ」が語源だそうです。相手と同じ目の高さからではなく、下に立ってものを見て、考える。これが「わかる」ということの基本なのです。
人目を引く人に出会ったら、一番目立つところをほめる。そこが一番注目してほしいポイントであることが多い。
クレームは、お店への期待の裏返しです。言い換えれば、お客様が私たちに期待していることについて応えていない「不足部分」なのです。
「売らなくては」という意識が、お客様と販売員の距離を生む。
(クレームのお客様が)時間とエネルギーを費やして来店し、クレームを寄せてくださるのは、「本当はこうしてほしかった」というニーズを教えてくださっているということなのです。
何かにつけて「ありがとう」と言うように心がけていると、どんなことに直面しても、「ありがとう」と前向きに受け止める姿勢が身につきます。
私たちは、何かというと口癖のように「すみません」と言っています。「すみません、ご足労いただいて」「すみません、お時間をいただいて」という具合です。この「すみません」を「ありがとう」に置き換えることができないでしょうか。「ありがとう」は感謝の言葉です。感謝する気持ちは、相手を好きになる大きなきっかけになります。